November 26, 2011

リアルセミナー


私の会社では、月に一度、朝礼見学会なるものを行っている。



組織風土改善に役立つ仕組みとして、毎朝行っている朝礼を公開し、私のプチ
セミナーと社員たちを交えた質疑応答の時間を設け、毎月全国から多くの方たちにお越しいただいている。



今月の朝礼見学会もありがたいことに好評だった。



参加者さんは、自動車でお越しいただく方も多いため、通常社員が使用して
いる駐車場を開放している。



じゃ、社員たちの車はどうするかと言うと、近くに普段から駐車場としてお借り
している空き地があるんだけど、そこに詰め込むことになる。



空き地は民家に挟まれ、決して広くはない土地で間口も狭い。



だから、みんな難儀して止めている。



その日、午前中に見学会を行った後、午後から所用のため私は外出した。



して、夕方、私の知らぬ間にそれは起きてしまっていた・・・。



次の日の朝、何も知らない私は、総務の社員から前日の出来事について
報告を受けた。



どうやら空き地の横の民家の住人からひどいお叱りを受けたというのだ。



誰かの運転する車が、その方の家のブロック塀に接触し、柵も含めて壊して
しまったらしい。



運が悪いことに、いつもは社員の車しか止めないその空き地にその日に限って
見学会参加者の方の車も止めていたということ。



つまり、犯人が特定できない。



当然、今更わざわざ参加者さんに「ひょっとしてぶつけましたか?」なんて聞け
やしない。



そして、問題なのは、破損個所に最初に気付いたのがその家の住人の方で
あったこと。



【逃げた】と疑われたのだ。



数名の社員たちが、その近所の方に対応したというのだが、社員たちもその方
のあまりの剣幕に、やってしまったことには謝るが、しかし、とても穏やかには対処することができなったらしい。



「修理するのは当然のことだ! しかし、逃げるヤツの根性が許せん!
社長を出せ! ここへ呼んで土下座をさせろ!」



「逃げるわけがないでしょ! こんな近所なんだし、逃げたところで、うちの
関係者に目が向くことはそもそもすぐにわかることなんだから!」



押し問答・・・。



そして、その場で犯人探しが始まる。



止まっていた車から接触個所を推測し、車のボディーを見渡す。



しかし、接触した形跡はどこにもない。



だから、きっとタイヤで接触してしまい、気付かなかっただけなのだ、決して
逃げたわけではないと主張する社員たちに、近所の方は苛立ち、罵詈雑言を浴びせかけて来たらしい・・・。



で、翌朝、



「昨日は遅かったし、社長も忙しいと思って、こちらで対応しておきました。
早速、業者に問い合わせ、修理する段取りを取っておきました。今日も菓子折り持って謝ってきます。」



と総務担当の社員が私に報告してくれたわけだ。



私にリアルタイムに連絡せずとも面倒なことに対応してくれたことに感謝を
感じると共に、複雑な気持ちになってきた。



余計なことをしてくれた・・・  ひょっとして誰かわからんけど逃げたのか?

いや、社員を信じよう。 そんなはずはない。 俺は信じる。

我が社がいつも大事にしていることを社員たちも大事にしてくれているはずだ。

そして、今度は猛烈に腹が立ってきた。



その近所の住人の対応にだ。



何でそこまで言われなきゃいかんのだ、ふざけんなよ・・・

偉そうに一体何さまのつもりだ! うちの社員はちゃんと謝ったんだろーが・・・

気付かなかっただけで逃げるわけがないだろ・・・

俺も謝りに行こうかと思ったけど、このまま喧嘩したろうか・・・



そして再び社員に対してベクトルが当たり始めた。



そもそも、こういう問題が起こるのは普段から信頼関係が築けていないからだ・・・

今までもきちんとご近所づきあいできていないってことだよな・・・

元気良く挨拶ぐらいできる人になろうよって日頃からみんなで言い合っている
のにも関わらず、きっときちんと近所の方たちに御挨拶もできていないんだな・・・

ああ、情けない・・・



しっかりと箱に入った。



それはわかる。



 ・・・



さあ、どうしようか。



そうは言っても何らかの対処をせねばならない。



そのまま放っておくか?


いや、ピンチはチャンスだ!

来たねぇ  来たぞ・・・  これは・・・  ん〜 試されてるんだな


しかし、まずはこの箱から出ないとな・・・


じゃ、まず社員たちに感謝して箱から出よう・・・


おしっ、自己裏切りはやめるぞ!


ということは行動だ!


社員の責任は社長の責任だ、やっぱり、とりあえず俺は謝りに行こう!


それじゃ、どうせなら、ご近所さんの予想を越えられる行動が取れたほうがいいな



そこで、朝礼の時間を使って、社員のみんなに尋ねてみることにした。



昨日のことをどう思うのか? そして、これからどうしたいと思うのか?



私が一人ひとりに聴き、みんなが答える。



「もし逃げたのだとしたら、ひどいことだし、気付いていたのなら、すぐに
謝るべきだったと思います」

「私たちの理念に反していると思います」


「こんな自分たちだったら見学会なんてやっている場合じゃありません」


「やっぱり、地域満足も掲げている我々の行動としては正しくないと思います」



もしかしてこの中にいるかもしれないという犯人探しの空気感が広がる。



いや、しかし、そんなことはもうどうでも良いのだ。


起こってしまったことはどうしようもない。



だから、そもそも普段からこういうことが起こらないようにするために、そして
これからどうすれば良いのかを考えてもらいたいと思い、尋ねてみる。



「普段から挨拶ももっときちんとしないといけないと思います」


「朝礼のときは前もってご案内しておくなどの対応がとれると思います」



なるほど。 じゃ、今回の件に対してどうしようか?



「もう一度ちゃんと謝りに行ったほうが良いと思います」


「ちゃんと謝りたいです」


「全員で行きたいです」


「私もそうしたいです」

「私も全員で行くのが良いと思います」



よし、じゃみんなで今から行こうか!



ちなみに私は土下座などしていないし、
ご近所さんの対応もあっさりとして清々しいものだった。



全員で謝りに行った後、事務所にもう一度集まった。



清々しさや満足感が漂い、みんな笑顔。



そして今の気持ちを言い合った。



さっきは涙ぐむ子もいたけど、みんな完全に箱の外にいた。



いい顔している。



やっぱり行動することで箱の外の世界に居続けることができることをみんな
で再確認できた。



箱のことや理念のこと、大事なことを大事なこととして血や肉にできたと
感じられた瞬間だった。



 


 


私たちの生活の中に、日々学びの種は転がっている。



生きた教科書だ。



自分自身、まさに本気の箱セミナーができたと感じた。



リーダーがまず自分を裏切らず、箱に入らずにいれば、頭デッカチにお勉強
なんて頑張ってしなくても、きっと大事なことを伝えられるはず。



そんなことを改めて本気で実感した朝の出来事だった。













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houkinkun at 07:30│Comments(0)TrackBack(0)clip! | 会社のこと

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