August 03, 2010
むかし話 その3
からからの砂漠に水をまき始めてからしばらく経ち、何も変わらない状況に徐々に息子は被害者意識を持ち始めた。
自分がしていることの意義と信念が揺らぎ始める。
楽な道を選びたくなる。
他人の幸せよりも目先の自分の利益を大事にしたくなる。
そもそも、考え方を改めさせるよりも、会社を去ってもらったほうがいいんじゃないか、そうだ、そのほうが楽だし・・・
考え方がどんどんネガティブになっていく・・・
フと気付く。
息子は気が付いたら番頭と同じ道を辿っていた。
社員を信用していなかったのだ。
信用できない社員がいるのではなく、実は自分が社員を信用していなかっただけなのだ。
息子は社長の偉大さに初めてそこで気がついた。
そして、エンパワーメント重視のマネージメントに切り替えた。
何でもできると思っていた自分は、実は何もできないことに気がついた。
権限委譲。 信じて任す。
自律を促し、支援することに力を入れた。
何かが変わり始めた。
感謝の念が生まれた。
だが、同時に激しい抵抗を受けた。
彼の新たな戦いが始まることになる。
つづく
いや、やっぱそのまま続けることにする。
息子は上役たちから、甘い、信用すれば裏切られる、所詮あいつらはレベルが低いのだ、と散々に言われた。
しかし、息子の心には再び信念の芽が生え始めていた。
水をまき続けた砂漠に希望という名の小さな芽が生え始めていたからだ。
彼は水をまき続けた。
その後、その芽は少しづつ幹を太くし、大きく成長し始めた。
そして、葉が出た。
幹はどんどん太く、逞しくなっていく。
後は実りと収穫を待つばかりとなった。
その後、息子は社長になった。 社長は会長になった。
息子は親父にとても感謝した。
権限委譲。
断絶されていたサイクル。
どうやら輪の端と端がつながったようだ。
血が流れ始め、魂が吹き込まれた。
その後の結果は、皆さんのご想像にお任せして、含みを持たせてそろそろむかし話を終えることにする。
おしまい
アービンジャー代表の陶山さんがこんなことを言っていた。
感謝すれば、相手に対して信頼が生まれる。
信頼が生まれると、それが信念に変わっていく。
信念ができると今度は引き寄せが始まる。
私は信念を持って、この指止まれと人差し指を空に向けて掲げていたい。
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この記事へのコメント
コメントありがとうございます。
ん?ちがいますよぉ〜
わが社のことじゃないですよぉ〜
ふ ふぃくしょんです・・・